価格が値下がりした平成四年でしたが、平成五年はもっと値下がりする可能性は少ないのです。その主な理由としては、次の点をあげることができます。第一に、年間契約率七○%という数字は、不況を突破して市場が正常化したと判断するバロメーターになります。正常化した以上は無理して下げる必要はない、今まで儲け損なった分を取り戻そうと考える業者が多くなります。第二に、これまでマンション価格の急騰の一因になっていた建築費も、平成三年下半期から値下がりに転じてきましたが、現在が底だという見方が強まっています。首都圏を例にとると、ピーク時は三・三平方メートル当たり二○~一二○万円という高値を記録したこともありますが、現在は五○万円台で請け負うゼネコンも出ており、五○万円末満で受注する例も出てきています。この背景には、建設業界の仕事が減少してきたことや、人手不足もやや緩和されたことなどがあり、従来は強気一点張りでマンション建築費を値上げしてきたゼネコンも、値下げせざるを得なく気壱なってきたのです。建築費の値下げはたしかにマンション価格を下げたのですが、反面、品質性能も低下するという副作用をもたらしたことも事実です。そこで、これ以上建築費を下げるとマンションの品質性能の低下が深刻になり、ユーザーにソッポを向かれる可能性も出てきました。