次に、マンションや建て売り住宅の価格はどうなるのかという問題がありますが、過去の動きを見ると、興味深い現象に気がつきます。それは、地価の値下がりに住宅価格の値下がりが連動しなかったという事実です。前述したように、首都圏では昭和六二年から六三年にかけて地価や中古住宅価格は値下がりしたのですが、このとき新築マンションや建て売り住宅の価格は逆に強気の値上がりを続けていたのです。具体例として、首都圏と関西圏の新築マンションの一戸当たり平均価格の推移を示してみました。たとえば東京一三区の場合、この一○年間で三・三九倍の値上がりで、とくに昭和六二年以降の値上がりが大きくなっていることがわかります。ただし、このグラフを見ると、この一○年間で一時的に一戸当たりの平均価格が下がっている年があるのですが、これは必ずしも値下がりを意味しないことに注意しなければなりません。というのも、一戸当たり平均価格というのは、その年の供給動向によって左右される一面があるからです。一例をあげると、一戸当たり専有面積の小さいマンションが増えたり、地価の安い遠隔地で供給されるマンションが多くなると、平均価格は下がってくるからです。同一地域で同一規模のマンション価格(たとえば埼玉県浦和市における七○~七五平方メートルの3LDKの価格)の推移をチェックすると、地価が下がったにもかかわらず、価格は常に上昇を続けていた事実を知ることができます。マンションに限らず、マクロデータにはこのような盲点が存在していることを統計データを読む上で知っておくことが大事です。