地価が値下がりしても住宅の価格は上昇していたのですが、平成三年下半期以降は、マンション価格の動きに大きな変化が生じてきたのです。それは、新規販売時点から分譲価格を一斉に一五~二○%前後も引き下げるケースが目立ってきたのです。マンション価格がどのくらい下がったかを知るには、同一地域にある同じグレードのマンションで、新規分譲されるものとそれ以前に分譲されたものについて、専有面積三・三平方メートル当たり平均売り単価(以下ネットと省略)をチェックします。たとえば六五平方メートルの3LDKが五○○○万円だとすると、ネットは二五○万円になります。首都圏や関西圏では、平成三年九月以降に新規販売されたマンションで、ネットが二○%前後も引き下げられた物件が増加してきました。しかも、大手デベロッパーほど価格引き下げ事例が多く、かつ、下げ幅も大きいという傾向があります。一方の中小デベロッパーは、体力が弱っていて、下げるに下げられないという状況に置かれています。価格引き下げ事例が急増したことで、平成四年からマンションの売れ行き好転と在庫(売れ残り)首都圏を例にとると、平成四年のマンションの平均月間契約率は七二%に回復しています。前年同期は五六・六%の契約率でした。関西圏も、平成四年の平均契約率は六六%で、前年同期の五一%に比べると上昇しています。一方、在庫は首都圏が平成四年一二月時点で八七八三戸です。平成三年一二月の在庫一万一七○四戸に比べると、一年で約二九○○戸減少しています。関西圏の在庫は平成三年一二月の八二○四戸から、平成四年一二月は七九一八戸と約二九○戸減少しているのです。一年でこれだけ在庫が減少したことは、デベロッパーの価格引き下げ効果です。売れ行き回復を目指して、頭金の無利息融資(クレジットローン)や家具の無料サービス、完成在庫のダンピングなどの対応策を打ち出したものの、さしたる効果もなく、ついに分譲価格の一斉引き下げに追い込まれてしまったのです。地価の値下がりに、初めて新築マンション価格の値下がりが連動したのです。新築建て売り住宅も下げ幅はマンションと比べると小さい(一○%前後)ながらも、同様の現象が生じています。これは、マイホーム取得を夢見る人にとっては、朗報であることに間違いはありません。